「2月11日に帰ります。」
と、インドネシアから電話をよこした息子。1月30日に東京で別れて海外初渡航・一人旅を敢行したあいつが、どんな顔になって帰ってくるのだろう、と思う だけで楽しみだ。短い電話の向こうで聞こえる声の感じからだけでも、おそらくその人柄に厚みがついたに違いない。優しさや思いやりがより深くなり、強さと 見識を増して帰ってくること間違いないだろう。1年前に行きたかったのに断念し、満を持しての初渡航はさぞや刺激的で、五感からあらゆるものを吸収して 帰ってくる。目は光を増し、毛穴からは香草やスパイスの香りを発して生気に満ちてるだろうな。何を見たか、何を感じたか、何を思いかえってくるのだろう か?
私が行ったことがないところばかりが今回の渡航先だ。中国、ベトナム、インドネシア…。国としては中国とインドネシアには行ったことがあるけれど、地域が 違えば別物だから、中国とはいえ大連もインドネシアのメダンも私には未知の処。ベトナムは今でも一番行きたいと思っている国。それらの土産話がもうすぐ聞 けるのだ。
今回の彼の渡航に関して、私は一切手助けをしていない。チケットやホテルの手配、現地へのアポも何もかも全く一人でやって出て行った。何を隠そう27年前の俺の初渡航は一人旅じゃなかったよ。
大したもんだ、おいお前。あと二日、緊張の糸を緩めることなく、あらゆるものを吸い取って帰ってこい。
待ってるぜ。