寝太郎さま

テーマ:農民/くま語録

むかし、長門の国は厚狭の里に、毎日寝てばかりいて村人から「寝太郎」と呼ばれる庄屋の息子がおりました。三年と三月を寝て暮らしたある日、むっくりと起 き上がり父親に船をつくらせ、新しいわらじをいっぱい積むと佐渡島へ船出しました。佐渡島へ着くと金山で働く人たちの古いわらじと新しいわらじを交換し、 船いっぱいに積むとさっさと帰ってゆきました。村にもどると泥んこですり切れたわらじを村人たちと桶で洗いました。すると桶の底に金の砂が光っているでは ありませんか。手に入れた砂金を元に堰をつくり干害用水路を引き、荒地の原野を水田に変えたのでした。
のちに村人から「寝太郎さま」と親しまれ、長生きしたそうな。
今でも農業の神様として神社に祭られております。(日本昔話『三年寝太郎』)

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山口県を代表する民話に由来して名付けられた純米焼酎、その名も『三年寝太郎』。知人からことあるごとに贈っていただくこいつは、ぐいぐいやりたい飲兵衛にはうってつけの、味わい深く、香り、呑み口とも爽やかな一本。

グラス片手に何度読んでもいいお話。氷をグラスにざっくり盛って一杯。こちとら、灼熱のお日様のもと、たった3日でさえも寝ているわけにいかないこの身に、うまい焼酎をせめてまたもう一杯、もう一杯と、また『お話』を読み返す。

「いつも必ず、こいつを贈ってくれるのには意味があるのか…?俺も何かを成し遂げたいね…。」

プロフィール

くま語録

くま

京都北部・綾部市物部地区で米を育てつつ、「農樹」を育てる農民。通称:くま
中津隈俊久(なかつくま としひさ)
’64年生、福岡県北九州市出身。
自作自演プロジェクト「農民パラダイス計画」のリーダー。

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