成人式

テーマ:農民/くま語録

昨日8日、飲み会があると言って夕方出て行った息子。高校時代の野球部の面々が集うとあって喜々として出かけて行った。
私はといえば、午前中餅の製造を息子とともにやり、午後から精米とその発送。何だか年末からこの方、しっかり休めたのは元旦の午後と2日くらいか。日課の晩酌が、どうも近頃経済的だ。
昨日はいつの間に寝たのか?そして目が覚めたのか?深夜帰って来た息子と会話を交わした模様。久々に堕落した朝を迎えることを楽しみにしていたので、それは適当に済ませて、またすぐに寝た。

ところがだ、朝の5時半頃だったろうか?物音がする。寝ぼけていると、
「おー、気持ちよかった。昨日風呂入ってなかったからさー。」
と、早朝からシャワーをしたと言う息子が、
「スーツあるかな?」
と言う。そう、思い出した。先日まで、成人式なんて行かないと言っていた息子が、昨夜になって、私のスーツを「成人式に出ようと思うから、貸してくれ。」と言い出したことを…。
物持ちが良い私は、今では着ることができないスーツを、今でも何着か残している。それはいつか息子が着る機会もあろうと残しておいたものではあるが、今日のこの日のタイミングに、まさに持って来いの代物と、そうは問屋が卸さない。
「俺の若いときのスーツは、今のお前の体に合うけれど…、」
若干袖丈や裾丈の修正が必要だし、
「ワイシャツも無いから…。どうせなら全部揃えたら…。」

早朝寝ぼけながら発した私の言葉で、事態は一気に動く。
洋服屋の開店と同時に店頭に立つ。そして、まずはスーツを決める。スラックスの裾丈縫製の間に靴やベルト、ワイシャツやネクタイをコーディネイトし、店で そっくりそのまま着込んで成人式へ…と、いう段取りに決定。後から起きてきたかみさんは、スーツ代の足しにと、息子に金をいくばくか渡そうとする。私は腹 で、
「ええい、しぇからしかー。息子の初スーツは、はなっから親父が揃えちゃる腹でおったばい。」
と思いつつ、息子と二人洋服屋へと走る。

成人式…。どたばた劇となってしまったが、洋服屋に生まれた親父のコーディネイトよろしく、ご機嫌で出かけた息子はおそらく今日も午前様。

『一着目のスーツ』
買ってやれて、良かった良かった。親父の甲斐性、存在感。示せて良かった良かった。

北海道の友人に、スーツ姿の息子の写真をメールで送ると、
「クマさんと違って、男っぽいネ、それにスマートでスッキリしてる」
のだとか。こんにゃろ、
「俺だって、二十歳のころはこんなじゃなかったの!」

プロフィール

くま語録

くま

京都北部・綾部市物部地区で米を育てつつ、「農樹」を育てる農民。通称:くま
中津隈俊久(なかつくま としひさ)
’64年生、福岡県北九州市出身。
自作自演プロジェクト「農民パラダイス計画」のリーダー。

ホームページ