じゃじゃーん、緑の絨毯。
今シーズン最初の、稲苗のお出まし、お出まし。じゃじゃーん。
ビニールハウスの中で育てている苗の、被覆材を今日、引っ剥がした。
ビニールハウスで育った、こいつらが、ご近所さんたち待望の、ゴールデン・ウィーク田植え用の稲苗だ。
息子や、娘夫婦の仕事が休みのうち、人手があるうちに、植えてしまいたい、と願う老夫婦たちが、「連休に田植えができるように作っておくれよ」、「どうぞ連休中に、植えれますよう」にと、お祈りするがごとく、この周りで、そわそわ、うろうろする最中、じゃじゃーん。
満を持して引っ剥がして、みどりのじゅうたん、じゃじゃーん。
おっちゃん、おばちゃん、ばっちりたい。心配すんなぁ。
寒波、再々の春なれど、どんぴしゃ、と合わせて、心配すんな!
うーん、これぞ、ぷろふぇっしょなる、バイ。
About 農樹
農民となってから、ゴールデン・ウイークなんて言葉が恨めしく、その時期は、毎年、田んぼに張り付けの身。一生、それとは無縁だと思っていたが、今年は初めて、1日だけここ(田んぼ)を離れる。福岡へ帰る。
高校時代の剣道部で集まりを持つことになった。監督だった先生の還暦を祝うのだ。折角だから、泊りがけで飲み明かそう…、と思いもしたが、時期が時期だけ にそうも行かない。ましてや、切符が取れずに焦った。数日前、やっとの思いで新幹線をおさえたが、改めて、帰省ラッシュなる言葉を実感した。
私は、両親とも他界していて、実家というものが無い。それでも高校時代の友人から、帰って来いよと声をかけてもらえて、ありがたいことだが、なかなかタイ ミングが合わずに疎遠になりがちだ。しかし、こんな時こそ、「えい、やーっ」と、突っ走らなきゃぁ、私の中の男が廃るというものだ。福岡在住の後輩が、 せっせと段取りしてくれているようだ。
楽しみだなぁ。
6月にも同窓会があるけれど、これも「えい、やーっ」と、行って来れないか?
それは、今後の頑張り次第。
About 農樹
昨日から、種まきしたのち、芽が出てきた苗箱を、屋外の苗床へと並べはじめた。もうビニールハウスは、いっぱい、いっぱい。
芽が出たばかりの白く、もやしの様で頼りなげな芽が、翌日には緑色をおびて、彼らが大きくなろうとする意志を感じる一時たるや、子供のおしめをかえてあげてる頃と似ているかなぁ。
そして、今日、また種まき。明日は、さらに次の種まきのための、種の消毒、と…、聞く人は、多分わけが分からなくなっても、自分がわけ分からなくなってし まっては、元も子もないので、重なり合う仕事・作業を、フローチャートもどきに、嫌々パソコンで記録・管理する今が、私の稲作ステップ4。
About 農樹
昨日、雨。今日も雨。
昨日は雨の中、合羽を着て、ある水利組合の水路掃除に出役。掃除というと、言葉の響きは優しいけれども、「労役に処す」と、申し渡されたかのような作業が 待っている。そこは毎年、山裾に這う水路の際で、冬中、イノシシ君勝手気ままにかっ歩するおかげで、水路が土で埋まっている。今年も予想通り、赤土で満タ ンこだい。
水路にカチカチにつまったこの土を、「えいこらせー、くそーっ」と、スコップで、『掘り出す』のは、私の役目。なんてったって、その現場の最重労働は最若手が買って出なければ…、ねぇ。
メンバー中、45歳の私に一番近い歳の人が、ろくじゅう?しち?はち?
「ええくそっ、このやろっ。」雨と泥と、合羽の中の汗とで、ぐちゃ泥ぴっちゃん、さ。
されども、今日も雨、降りしきる雨。
改修工事が遅れたため池に、果たして水が溜まってくれるのか?の、私の心配を払拭するかのように、ほぼ満タンこ。
満タンこになっちゃった。天が味方の、この良き仕事に大満足。
About 農樹
今日はお天気よろしく、また、日常の陣容に一名加わり、野良仕事がことのほかはかどった。
週末となると、息子が、私のもとでアルバイト。経営者としては、ひとり加わったなりの仕事の流れを、前日からイメージして、彼の登場に備える。
昨年から繰り返す、この週末の喜びは、単に親子で農作業ができるというものでは無く、ヤツが、親方である私の、その日の目標を理解しようとすることに始ま り、達成すべく誠心誠意働いてくれると、いうことにある。時に、その思いが空回りすることもあるが、それもまた、若者らしさ、と、微笑ましい。そして、ヤ ツの親であることが誇らしく、「よってらっしゃいみてらっしゃい、このしょうねんば、みてらっしゃい」と、叫びたくなり、力みなぎる自分との相乗効果が、 驚異的な作業進捗を生むというわけだ。
鬼に金棒、クマにコグマ。
ただ今、体はくたくた、心はほこほこ。