よっこらしょ

テーマ:農民/くま語録

今年もいただいたアイヌネギとジンギスカン。北海道の友よありがとう。まさにこの時期がわたくし米農家・クマは、体がきしみ疲れは絶頂期。なのに夜中に目が覚めてしまうのは神経が張り詰めているからなのか…。
首筋から肩はパンパン、背筋ポンポン、神経はピーンとして、どこかがはじけそうなこのときにぴしゃりといつも、ありがたや栄養満点の品。
これで今年も春の陣を乗り越えられるぞ。
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そして手紙に、

成功者とは儲けたからでない
なりたい仕事につき
その仕事を全うした者が
成功者である

と本で読んだのだと書き添えられていて、ならば、我らは成功者への道まっしぐらなのか。
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ビューティフル

テーマ:農民/くま語録

クマです…、なんて、自分のブログで名乗らなきゃならんのも、息子のせい!こんにゃろ!
改めて、クマです。
「『くま語録』を乗っ取られた。いや、そうは言わまい。潜入されたとでも、言うことにして、まあ、よか、よか。」
と、たかをくくっていたら、調子付いた息子めが、『説教』なんてなブログを書きよった。あーあ、身内だからとうっかりIDやパスワードを教えた俺が馬鹿だった、あー、油断大敵。

さて、去る3月末をもって大学を辞め、私とともに農業に就くという息子の覚悟。その辺りのくだりをブログに記して早やひと月。息子がブログに潜入し始めて 2週間。以来、ブログ上のコメントはもとより、なんとも言えぬ暖かい電話にメール、ファックス、お便りなど数知れず頂戴し、良き友人知人に、生かされて生 きてきた、と、改めて感じるこの春。

「二人で、日本一の農家になれ。葉を茂らせ、悠々と天高く、どこまでも伸びていって欲しい。そして、人が大勢集まる農家になって欲しい。頑張れ、ずーっと、これからも、おばさんは応援してるぜ。」
と、北海道から…。また、大阪から、
「未曾有の大惨事のさ中、久しぶりに心踊り、揺さぶられる思いで満たされました。
『恐れや不安は伝染する。同じように勇気も伝染する。』(アリス・ミラー)
フレーフレー、クマさん一家!息子さんの未来に大いなる祝福あれ!」
数々の心に染み入るお便りのたびに感涙する俺は稀代の幸せ者。
「Life is beautiful!」

息子の勇気が伝染(うつ)ったおかげで、全てが前へ上へと向かっていくこの春作業。どれもこれもが前倒しに進み、まさに快進撃。お米の売れ行き、評判も 上々。これが上昇スパイラルなのだと感じる人生初の感覚は、隣にいる勇気君のおかげ、だね。勇気を持つには力が要るわけで、それをお裾分けするとなると相 当なボリュームのエネルギーを持って無くては周りに伝わらないと思う。しかし、こやつはそれを持っているから大したものだと絶賛したい。たとえ手前味噌だ と言われようと知ったことか、讃えずにはいられない。将来へ夢や希望を持ち、その過程を見据えて目の前の仕事に創意工夫を繰り返す若きその姿を世間に見せ ること…、これ即ちひとつの社会貢献。

そしてもうひとつ、大学の大先輩からのお便りに大笑い。
「早やばや、‘後継者決定’おめでとう!!で、クマさん、今後どうする???」
わっはっはー。
「決して私は息子を後継者などとは思っていないのです。彼は息子でも後継者でもなく、私の同志。見ていてください、僕らの生き様。
Let us do something beautiful !」
さてと、いよいよ田植えに入りましょう、育みあう同志とともに。

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衝撃

テーマ:農民/くま語録

東日本大震災の衝撃と、その後の経過をよく理解する間も無く、一過性の「米騒動」なる波が我が家へ押し寄せ、引いていったのがつい先日。睡眠時間を削りつつ、精米と発送、配送を繰り返すこと約10日。この間、我が家には別の衝撃が走った。

二十歳の一人息子が、事務室にいた私のもとにやってきて、
「クマさん、俺…、大学辞めるわ。」
「あー?あ、はん?はー、ほいで、あん?で、なんで?」
聞けば、ここ一年おぼろげに考え続けていたことなのだと言う。大学に入ってから2年間、寸暇を惜しみ、親父のもとで献身的に農業アルバイトをしてくれていた彼は彼なり、痛いほど農業の厳しさを知る反面、その尊さも判ってくれていたようだ。
「卒業してからでも遅くない。俺は30歳で農業を始めた、んぞ。」
と、分別ある親を装いつつ、そう言う私の言葉に説得力は無い。’95年に東証一部上場会社を辞めて農業を始めようとした時、基盤も無く無謀の道に走る私を、泣いてとめる妻の姿が、幼かった彼の記憶にも少しは残っている。この時期に大学を辞め、親父と農業の道を歩まんとする心理に曇りは無く、その論理も通っている。おまけに、言い始めたらちょっとやそっとでは曲げない頑固さは、血統証つきと来ているから、否定はするまい。

1月に続き、再びJR京都伊勢丹で、去る3月2日から8日までの7日間、我が「農樹米」のプロモーションをさせいただくチャンスに恵まれた。前回、大学の試験の都合により、残念無念、参戦を見送った息子が、この度晴れて初陣を飾った。どうやらこれが、我が家で起きた衝撃の大きな要因。
初回に知りあえた方々が、
「また会えたね。美味しくいただいてるよ。」
と、声をかけてくださる。周りで立ち止まる方々に、
「このお米美味しいよ。」
と、薦めてくださる。
「私たちが作ったお米なのです。」
と、語りかければ、息子に目を向け、
「お兄ちゃんが…?へー、頑張ってよ!」、「偉いなー。」
と、言葉が返る。そういう、言葉のキャッチボールを繰り返し、人の温かみ、人の輪の広がりを時々刻々感じる喜びに浸っていく…。
同時に、食べ物や農業、この国のことに目を配り、深い見識を持って、私たちに語りかけてくださる方が、前に立つ…。田舎にいても、「カントリー・ジェントルマン」たらんと、日頃勉強、研鑚する自分たちに、糊のきいたワイシャツ着せて、立ち、話すことの心地よさ…。

「クマさん、ほんとに良い経験だったよ。」
成功裏に終えた伊勢丹からの帰路、その車中二人…、いつにもまして言葉を大事に選びながら、会話を交わし帰って来たような気がしている。それが3月8日深夜。

間も無く、東日本大震災。24日、退学届を提出。電光石火。
本日、大切なあの人眠る比叡山へ報告に参った次第。
私が、サラリーマンを辞めたのはちょうど30歳、阪神淡路大震災の直後。

ほのぼの

テーマ:農民/くま語録

しばらく良い天気が続いたので、昨日まで、育苗のために春使うビニールハウスとその横の苗床を手入れした。そうは言っても日に、3時間程度の作業。久しぶりに屋外での仕事をこなし、少々の汗をかいたところで、おっさんに会いにいった。
「ひっさ(長い間)出会わんかったのー。」
と、おっさんは言うが、せいぜいひと月前後のご無沙汰だ。しかし、御年80になるはずのおっさんから、常々気にかけ、可愛がってもらっている私なれば、ひと月近くも顔を見せない時間を作ってはならないとは思っている。
『ひっさ』会わなかったものだから、おっさんは矢継ぎ早に、話したかったことを話し始める…。そういう時、こちらが決して退屈しないのは、その風貌に似合う、こてこての方言で積み上げる上手い語り口ならばこそ。しかし、『ひっさ』会わなかったもので、思い余って言うのか、言いたいことだけ言ってしまえ、と思うものなのか?そのひと言を、どう解釈しませう?という、瞬間が間々あるもので、
「くまさん。か・ん・た・ろ・う・は、もう、あかんでよ!」
「か・ん・た・ろ・う?」
「あかんでよ、か・ん・た・ろ・う、じゃー。」
「ん、」
「もおー、駄目じゃろ。あんなもん、じゃー。総理大臣…。いう、わけには、。」
かんたろう=管直人。

次に、
「あいつが、免許、のー(無く)なった。」
と、きたもんだ。聞けば、おっさんと同年代、町内のある人が、自動車運転免許の更新に行ったときのことを話し始めた。高齢者なので、運転講習なるものにのぞんだその方、自動車に乗り込んだ途端、教官に、こう尋ねたのだと。
「エンジンはどうかけるんじゃ?」
これで、アウト!のはずなのに、食い下がり、
「エンジンのかけ方だけ教えてもろたら、運転はできるんじゃ!」
と、言ったのだとか。
「そう言うた。けど…。帰された…。」
のだ、そうだ。切ない話しを、おっさんは、
「今更、エンジンのかけ方、覚えんとけよ、って、言うといてやったんじゃ!」
とのこと。
野良に出れば、ほのぼのしている我が地、なりってか。

今日は、雨降り。
3月2日からの京都伊勢丹でのプロモーションに向けて、精米室で仕込み作業。携行品なども準備万端。その他、雑務も滞りなくこなしたつもり。

一抹のくだりを息子と涙を流しながら語って、仕事に励み…。

さあて、明日は早朝から仕上げの精米施し、パッキング。商品車に詰め込んだら、二人でいざ上洛だい。

ほっと一息

テーマ:農民/くま語録

確定申告終了。今年は例年になく、早い仕上がり。それもそのはず、日頃からご厄介かけっぱなしのお方(B型♂)の、その姉ちゃんが、
「経理に長けている。」
と、前々から聞きつけていたから、あら大変…、なのは先方様。私は、しめしめ、遠慮は悪しきこと、と教育受けた九州男のガブリ寄り。
「お願い、迷惑ついでに、もう一丁。決算、お願い。」
そう言い放って、書類を預かってもらったその日から、
「いつか、お返しするつもり~♪」
と、鼻歌歌っているうち、決算書に申告書ができちゃった。
「すっげーなー。餅は餅屋だわ。俺が毎年、缶詰状態、癇癪おこしながら、カリカリ弾けてたことをさらりとやっちゃうわけだ。」

今日は、小春日和。税務署への行き帰り、またも鼻歌、鼻歌。

「どーも、すいません。遠慮知らずで、すいません。ありがとね。来年もお願い…、わっはっは。も一丁、迷惑ついででに、ずーーっと、お願いよ。」

死んだ親父が、私がガキのころ、よく言ってました。
「遠慮は失礼ばい。ありがとう、ありがとう、ってくさ…、よその家に行ったら、腹いっぱい食べてこい。」
と、ね。ここのところが、京都と福岡の違いなのかも、ね。

来週は心置きなく留守にできます。ありがとう。
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プロフィール

くま語録

くま

京都北部・綾部市物部地区で米を育てつつ、「農樹」を育てる農民。通称:くま
中津隈俊久(なかつくま としひさ)
’64年生、福岡県北九州市出身。
自作自演プロジェクト「農民パラダイス計画」のリーダー。

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