TOP>Author Archive
北の便り
農繁期、疲れはピークの第一弾。脳みそと、体が自分のものではないような気がしてくる頃、旭川から便りが届く。
私へ、エールを送ってくれる人がいてくれる。これらで、精をつけてね、と届いた品々。
その中でも、アイヌネギ。行者ニンニクとも、本州で言われている山菜。毎年いただくこいつが、まさにこの時期、体幹がへなへなになりつつある、我が体の添え木となり、発火材になる。
見た目はどうと言うことのないこの植物…。しかし、これは絶大なる力。
食すれば、人に会うのを避けたくなるくらいの臭いを放つけれども、アリナミンなどども足元にも及ばない絶大なる効用。
行者さんが、修行中、精力剤として山中でかじるものだとも聞く、この山菜。旭川の、雪残る斜面で滑り、そして採って、元気出せよ、と届けていただいくものだから、心にもその効用しみわたる。
おーっし、先ほど3本かじって、効いてきたー。
もう2、3本かじって、一杯かっくらって、明日も、そして、この春乗り切るぞー。
栄美さん、ありがとう。いつまでも、残雪の斜面に立ち向かえるよう、元気でいてよね。
俺って、幸せ者。
About 農樹
ああ、とうちく
5月1日、農繁期の手を休め、故郷・福岡へ。
時期が時期だけに、滞在時間は4時間。この度は日帰り。夜を徹して飲み明かしたいところを我慢して、帰路へつく…。残念至極。
昨日は、私の高校時代、母校・東筑(とうちく)高校剣道部の監督を務めていただいていた先生の退官と還暦のお祝い。東筑剣道部を先生が率いてくださった10年間の、教え子面々集い、酒を酌み交わす。
おう、懐かしや。
先生が、これからの夢を語られ、我々が近況や当時の思い出を語る。
その語りの壇上では、上る誰もが輝き、堂々としていることが誠に嬉しい、喜ばしい。
人生の模様は、それぞれ様々あるはず。しかし、誰もが決して見栄を張るわけではなく、その言葉使いや、なりふりから、今を誇らしく生きていることが伝わってくる。
先生と、母校・剣道部の先輩、同期、後輩の皆々様へありがとう…。あなた方は、私の誇りです。このような集いこそが、私にとっての故郷であり、また会える日までの力の源。
また、帰るバイ。涙腺が緩んできたバイ。
皆さんに、万感の思い込めて、
「ありがとう」
About 農樹
まずはひと山
黄金週間に突入。
農村は賑わっている。日ごろ見かけない人がうろうろ。田んぼでは、ざっと見渡せば、10台くらいの大小のトラクターが、ディーゼル音高らかだ。
我が家は、先日から、2台のトラクターで、追いかけあいをしている。
私が、先導役。もう一台があとからついて来る。
私が先へ先へと行かなきゃ、後がつかえてしまうので、昼食も5分で済ませ、先へ、先へと進むトラクター。
あー、疲労困憊。もともと低い、思考力と記憶力は最低レベル。
明日、もう一日気張って、1日は休んで、博多で中入れ。
故郷よ、待ってっておくれー。
About 農樹
ステップ6
育苗は折り返しを過ぎたかな。今、2000枚が苗床で寒さに耐えながら育っている。明日と、3日後に1000枚を苗床に置いてやれば、残すところ1000枚の種まきだ。
そうなると、徐々に進めていた、トラクターでの田作りも本格化。トラクターもフル稼働だ。
1台は、荒起こしへと先走り、もう1台は、水を入れた田んぼで、荒代掻きを…。
今日は、土曜日。19の若者が、親方から申し渡された注意事項をメモに取り、フロントガラスに貼り付けて、声出し確認しながら、後を追いかける。
四方に目と気を配り、慎重かつ大胆、田んぼごとに腕を上げていく…、この素晴らしき子の、親の顔が見てみたい。
作業錯綜し始めた、ステップ6。
About 農樹
素晴らしい
トラクターのウオーターポンプから水漏れ。オーバーヒートしていたら大変なことだったが、早期発見と、彼の応急処置のおかげで大事を逃れ、かなり重症のはずのトラブルから二日間、作業を止めることなく、今日に至った。
「田中君、ありがとう」。
そして今日、彼が部品を持ってやってきた。
昼休憩の間にやってきた彼のもとへ、私が現場に駆けつけた時には、エンジンルームを開け、バッテリーを外し、ラジエーター、配線、配管と、エンジン以外、ぱんぱらぱんにしていた。
「田中君、こんなとこでやって大丈夫?」
「大丈夫よん、こんなん、ここでやっちゃいますよん。」
と、手際よく、現場で患部を治して、
「おおきに」、と帰っていくではないか。
田中君、ありがとう。今日の君は、誠にかっこ良かった。そして、君のサポートの心強さを改めて感じて、勇気百倍。この春もまた、夏へ、秋へと、つながる春になります。
それから、しばらくトラクターに乗っていると、ふと思う。「タラの芽…」、大好物の、「タラの芽」のことを…。
私が耕作する数ある田んぼのなかで、トラクターからひょいと降りれば、タラの芽を摘めるところに差しかかり、ひょいと降りれば、「ある、ある」。
今晩は、もちろんタラの芽の天ぷらに、冷や酒あおっていい気分。たけのこもうまかったぁ。
酔った、酔っ払った、明日は種まき、はよ寝よ、うぃ。